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バイエル薬品 大動物シンポジウム 2014
大動物シンポジウム 2014

臨床現場における子牛疾病対策事例1 乳用種一貫肥育1農場における改善例

NOSAIオホーツク 湧別家畜診療所 岡松 弘之 先生

ホル種雄子牛の導入開始後の極寒期に死亡事例が多発


スライド1:NOSAIオホーツク湧別家畜診療所
スライド2:死亡牛の導入年月別頭数

 湧別町は北海道でも寒さが厳しいところで、1~2月の平均気温は-7℃、夜間には-20℃を下回る日もある。町内には乳用牛が約15,000頭、肉用牛が約5,000頭飼養されている。

 今回、改善を試みたのは、町内のホルスタイン種雄子牛を導入している飼養頭数、約1,500頭、月間導入頭数約70頭、年間出荷頭数が1,100頭の肥育農場である。平成24年10月から子牛導入を開始するにあたり、哺乳舎・育成舎を増築し、ロボット哺乳を3台導入、床暖房も設置した。翌年1月に入り、死亡頭数が急増し、治療をしても助からない症例が多く見られたため、同月中旬に関係者協議を開き、改善策について検討した。

防寒対策に続き、哺乳およびワクチンのプログラムを検討


スライド3:防寒対策
スライド4:哺乳プログラムの変更
スライド5:ワクチネーション プログラム

 最初に行ったのは防寒対策。ヒーターを設置し、保温性を高めるためオガクズの上に麦稈を敷くよう指導した。哺乳牛房の天井が高いので、遮るために天幕を設置し、防寒着の着用なども行った。(スライド3)

 次に、哺乳プログラムを再検討した。以前は導入時に1日500gだった代用乳を、2月からは750gに増量して7倍希釈の6Lで与え、極寒期対策としてカロリーアップした。しかし導入7日間は飲みきれなかったため、4月末からは濃度を濃くして5L(5.7倍希釈)で給与。それでもミルク廃棄があったため、5月末からは代用乳520g・4L(6.7倍希釈)からのスタートに変更した。その後再び、12月には最高代用乳923g・6.5L(6倍希釈)まで増量。最初にミルクで栄養を充足させて哺乳量を増やし、緩やかに離乳に向かうことでストレス低下を図った。(スライド4)

 続いて、ワクチンプログラムの検討。導入直後、育成舎移動直前、移動直後、育成舎で飼育中の牛をランダムに選んだ4グループに、下痢を起こした牛を加え、病性鑑定を家畜保健衛生所に依頼した。それまで導入時には牛五種混合不活化ワクチンを打っていたが、ウイルス検査の結果、中和抗体価の上昇が少なかっことなどから、細胞性免疫の獲得と移行抗体が不十分な個体に対する対応として牛五種混合生ワクチンに変更し、新たなプログラムを提案した。(スライド5)

病性鑑定結果等を受けて薬剤を再考し、下痢や肺炎の対策に


スライド6:病性鑑定結果<糞便・細菌検査、寄生虫検査成績>
スライド7:病性鑑定結果<鼻汁スワブ・細菌検査成績>

 寄生虫については、診療所での糞便検査を行った。初期の頃には、下痢になったものは全て検査し、簡易検査の結果、クリプトスポロジウムに関しては全頭で陽性反応が認められた。コクシジウム症については出生後16日目で発症を認められる牛がいた。

 下痢対策として、湧別はサルモネラ症の発生もある地域なので、初めから生菌製剤を給与していたが、樹皮熱処理抽出製剤と合わせて全哺乳期間で投与することを提案した。経験上、哺乳ロボット内部の汚れにより下痢が多発している農場も認められたので、洗浄・消毒を徹底してもらった。また、哺乳舎から育成舎へ移動をした時に、オルソ剤とドロマイト石灰による床の消毒を行うよう提案。コクシジウムが生後16日目で確認されていることから、導入後2週間でバイコックス(トルトラズリル製剤)の投与を行うようにも提案した。

 肺炎に関しては、育成舎への移動前からMannheimia やPasteurella が軒並み中程度以上、検出された。それまでオキシテトラサイクリンの持続型抗生剤を使っていたが、耐性菌が認められたため、βラクタム系の持続型抗生剤を投与してもらうようにした。育成舎ではMycoplasma も検出されたので、哺乳舎からの移動時にオキシテトラサイクリン持続型抗生剤を投与することにした。また、発病牛の早期発見に努め、発見時にはハッチへ隔離し、抗生剤、消炎剤を投与。蔓延時には、抗生剤の飼料添加も行うよう指示をした。さらに哺乳舎、育成舎ともに1週間に1~2回の噴霧消毒の実施し、冬場でも日中に換気を行うよう徹底した。

新たな管理プログラムに基づく飼育で、子牛の死亡頭数が減少


スライド8:管理プログラム
スライド9:死亡月齢3ヵ月≧の導入年月別頭数

 その他の対策として、導入牛は生後7日齢以上のものを導入とし、治療記録等はパソコンへ入力して回覧式のものに変更し、従業員全員がわかる形とし、意識統一をするため、朝夕のミーティングを定例化した。これらをまとめた管理プログラムのマニュアルを提出した。(スライド8)

 現状の哺乳プログラムとしては、濃度が14.2%、代用乳の合計が2,670g。関係者会議は、最初の平成25年1月以降、4月と11月に実施。以上を総合し、死亡月齢3ヶ月以下の導入年月別の頭数からも分かる通り、改善成果が上がっている。(スライド9)平成26年度も寒くなる前の10月に対策会議を行い、マニュアルの確認をした。

 現状、病気が減った要因として、導入牛を選別している点も挙げられるため、農場側は、どんな牛が入ってきても元気に育てられる状態にすることを目標としている。これに応じる対策を考えていくとともに、導入牛は全て湧別町内の牛ということもあり、他の搾乳農家の方々にも、丈夫な子牛を作る働きかけをしていけたらと考えている。

まとめ

  • 極寒期の死亡頭数増加を受け、防寒対策を最初に講じた。
  • 哺乳プログラムでは、最初にミルクで栄養を充足させて哺乳量を増やし、緩やかに離乳に向かうことでストレスの低下を図った。
  • ウイルス検査の結果、導入時、育成舎への移動時ともに、牛五種混合生ワクチンを接種することとした。
  • 病性鑑定結果等に基づき、下痢対策、肺炎対策ともに使用薬剤と投与時期を再考した。
  • 治療記録等は従業員全員が分かる回覧式のものとし、意識統一をするため、朝夕のミーティングを定例化させた。
  • 提案した管理プログラムが改善成果を上げたため、継続して実行している。
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